“美人のしかけ毛先美人をつくるフィルムパーマ apish坂巻哲也氏インタビュー

「フィルムパーマ」を初めて知った時、どう感じましたか?また、「フィルムパーマ」の魅力は何でしょうか?

 フィルムを使ってみて、まず驚いたのは、平面に巻いているのに、すごくふわっとした立体感カールが得られること。しかも巻き数を少なくすると、フラットなカールにもできる。つまり、回転数によってフラットから立体感まで使い分けできるんです。
従来技術との比較で言うと、ロットやデジタルパーマは均一でキレイなカールを出せる、たとえば編み物で言えば“機械織り”の感じ。それに対して「フィルムパーマ」の良さというのは、人が指で作っているカール感であり、編み物で言えば“手織り”の自然さじゃないかなと思います。
 また、ロットに平巻きすると、どうしてもカールが平たく出てしまいますが、「フィルムパーマ」の場合は、毛束を丸い筒の状態で丸めてカールを作っていきます。その丸さとカールで出てくる丸さとの相性が非常にいいんですね。髪の柔らかさとか、軽さとか、すごくソフトなカール感が出しやすいんです。髪という1本ずつの線が面になるというのが従来の技術だとすれば、これは丸い球状のカールなんですね。女性らしい、美人スタイルが作りやすいパーマだと思います。

 そしてホットパーマとして使う場合、デジタルパーマでも“熱で髪を乾かす”という工程が必要なんですが、「フィルムパーマ」はフィルムの中で髪が“蒸されている”感じなんですよね。僕たち美容師からすると、カラッカラに乾かした状態で薬剤処理しなくてもいいのは安心感があります。水分が髪の中に残っている状態で、だけど形状記憶されている。パンの食感で表現すると、矯正パーマとか熱変性を起こしてしまうようなギッシリ熱を与えたパーマは、“カリカリの固いパン”のイメージ。「低温ストレート」だったり「フィルムパーマ」は、水分が中にある、“モチっと、しっとりとしたおいしいパン”のイメージです。この質感が、とても気に入っています。

「フィルムパーマ」を活用するポイントは何でしょうか?

 もちろん、従来の技術のレベルを上げていくことは当たり前のことなんですが、こういう新しい風が入ってきた時に、お客さまも美容師さんもステップ・アップするきっかけにはなると思うんです。ただ、すごくいろんな種類のパーマがある中で、特徴をしっかり押えることが必要なんですね。特徴を理解せずに、おもしろいからデザインに無理やり使っていくのはダメだと思うんですよ。
 「フィルムパーマ」にしても、演出効果の高さを売りにする考え方もあるんですが、フィルムを使うことによるしっとり感だとか、球状の丸みの柔らかさだとか、そういう違いを分かってやっていくと、この新しいアイテムは新しいパーマへのアプローチになるはずです。「フィルムパーマ」だけをして、従来のパーマはやめなさいということではなくて、パーマというカテゴリーの中のいいポジションに置いて、使いこなしていくことが必要だと思います。
また、これはどんな技術でも同じなんですが、導入したんだったら、お店全体で「フィルムパーマ」を理解すべきです。何かをお店でやっていこうとするんだったら、スタイリストだけでなく、シャンプーする人からブローする人から、すべての人が理解し、好きになって、お客さまにプロデュースしていくことが大切なんじゃないかなと思います。

「毛先美人」プロジェクトはなぜ必要なのでしょうか?

 お客さまの目線に立った提案をすることが求められていると思います。ただし、それは一緒に悩むのではなく、やはりプロとして半歩先にいることが大切です。「前髪がうまく流れないの」という声に対して、「いいのがあるよ。フィルムを使えば自然なアールがついて、キレイに流れるようになるよ」とか。そういう提案をプロデュースすることが必要だと思うんですね。
 今、時代的に言うと非常に“女性像”というものが大事になってきています。例えば、エレガント、クール、セクシー、フェミニンなど、いろんな女性像を理解しなくちゃいけない。ウチでは“キレカワ”がコンセプトなんですが、2つくらいの女性像が組み合わさって、最上級の女性を作る時代だと思うんです。すごくかわいい子に、かわいいだけを与えてしまうと、下手すると安っぽくなってしまう。ここに「フィルムパーマ」でキレイっていうテイストを少し入れてあげると、ちょっと美しさが上がりますよね。その中で、毛先って言うのは表現力が高いと思うんですよ。無数の表現ができる場所ですよね。僕は「毛先を演じることができる美容師は絶対パーマ上手」って、よく言うんですけど。
 「毛先美人」をかなえることによって、女性の美しさはワン・ランクもツー・ランクも上がります。その中ではニュアンスのカールがあったり、ストレートがあったり、しっかりしたカールがあったり。ただ、パーマをかけましょうというのではなく、最上級の女性像を手助けしてあげる「毛先美人」であることが大切ですし、そのような提案ができる美容師さんが、これからはお客さまに愛されるんだと思います。

坂巻哲也 apish/apish Rita 代表

apish/apish Rita 代表。1998年10月「apish」設立。2001年9月移転拡張オープン。 2006年12月「apish Rita」設立。サロンは常に超満員状態。サロンワークを中心に、ヘアショー、TV出演、撮影、講習会と、幅広い活動を展開中。数多くの薬剤や、ロッド、オリジナルカットを開発し、2003年新美容出版より、made in apish のパーマBOOK「きれいウェーブ★かわいいカール」を発売。 

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